日本人と海藻

こんにちは!

「あなたの毎日が、輝く食事」のミチコです。

 

海藻は、タンパク質が2%含まれているほか、

残りの成分は消化されにくい炭水化物が中心です。

 

さまざまな風味や色合いを持つ海藻は、

甲状腺疾患の予防効果があるヨウ素の重要な摂取源であるほか、

抗酸化物質も含んでいます。

 

それに加えて海藻は、

新しい食物源に合わせて消化の仕組みを変えられることを示す

見事な例だともいえます。

これは人類の歴史のなかでもつい最近起こった変化なのです。

 

昔から海岸やその近くに住んでいた日本人は、

海藻を様々な方法で取り入れてきました。

 

実はもともと日本人には、大半のヨーロッパ人と同じように

海藻に含まれている複合糖質のデンプンを消化するための

酵素がありませんでした。

 

これでは、海藻から人に役立つカロリーや腸内細菌に役立つ栄養素を取り出せずに、

そのまま腸を通過させてしまうことになります。

 

しかし私たち日本人は日常的に海藻を食べることによって、

腸内細菌を変化させ、次第に海藻を消化して、

そこからエネルギーや栄養素を取り込めるようになっていきました。

 

また、アジア人とヨーロッパ人で同じ食べ物でも効果が違うものとして、

大豆があげられます。

 

大豆にはイソフラボンと呼ばれる固有の抗酸化物質が含まれていますが、

このイソフラボンは、腸内で内分泌攪乱物質(ゲニステインなど)と呼ばれる

生物活性化合物になります。

 

内分泌攪乱物質には、ホルモンの反応経路を混乱させたり、

遺伝子を改変させたりする可能性があると同時に、

ある種のエストロゲンに似た働きをして、

ガンのリスクを潜在的に高めるものもあると考えています。

 

しかし、体内で生物活性のある大豆由来化合物を合成するにも、

そうした化合物を排出するまでの時間を調整するにも、

腸内細菌が重要な役割を果たしている可能性が明らかになってきました。

 

アジア人は、ヨーロッパ人とは腸内細菌の組成が異なっているため、

体内での大豆の分解によって、

大豆由来の化合物をより大量に合成できます。

 

このように海藻や大豆は、異なる環境への適応能力が人に備わっていることを示す例であり、

私たちの体が互いに異なる方法で

プログラミングされている可能性があることを、

改めて証明してくれています。

 

あなたが全く知らない地球の反対側で採れた食べ物を口にした時、

もしかしたらあなたの腸内細菌は、

そこからカロリーを取り出すことも、

栄養分を取り出すこともできないかもしれません。

 

「身土不二」とは、もともとは仏教用語ですが、

食の世界では、

「生まれ育った土地のものが身体に最も合っている」

という意味で使われます。

 

その科学的な根拠は、もしかしたら腸内細菌にあるのかもしれませんね。

 

今日も、お読みいただきありがとうございました。

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